マンション管理会社を決定するには、どのような観点で比較するとよいのでしょうか。
ここでは、なぜフロントマンの在籍が重要なのか、そしてどのようにして頼れるフロントマンがいる管理会社を見極めるかという点についてご紹介していきたいと思います。
優秀なフロントマンがいる管理会社を選ぶことで、マンション運営がよりスムーズかつ安心になります。
マンション管理会社を選ぶにあたり、優秀な「フロントマン」がいるかどうかはとても重要です。
フロントマンとは、住民と管理会社の間に立ち、マンション管理に関する業務を幅広くサポートしてくれる担当者のこと。
マンション管理における運用部分と、物理的な部分の両方をサポートしてくれています。
フロントマンはマンション管理の運営面で、管理総会に必要な資料作成、総会のスケジュール調整、管理規約やルール作成などをサポートしてくれます。
マンション理事会は理事長や副理事長、役員が中心となって行いますが、マンションの管理においては素人であるためわからない点も多いです。
この点を、マンション管理のプロであるフロントマンにサポートしてもらうことで、より円滑に業務を進めることができます。
フロントマンは、理事会の運営だけでなく管理人の教育なども担っています。
マンションの管理人が質の高いマンション管理を行えるよう、フロントマンは常にサポートに入っています。
管理人が日々きちんと業務を行ってくれれば、住人は気持ちよく生活することができますよね。
多くの人が住むマンションが舞台である以上、大なり小なり何らかのトラブルや要望が定期的に出てくるのは仕方のないことです。
相手は居住者だけでなく、地域住民だったり、自治会だったり、時には官公庁だったりと幅広く、それぞれに適した対応を迫られることになります。
フロントマンはそうした折衝業務を一手に担い、マンションの管理・運営が円滑に進むためのお手伝いをしてくれます。
よいフロントマンとは、やはりマンションの運営において広い範囲で尽力してくれる人材ではないでしょうか。
与えられた業務をこなすのみならず、マンションの管理や理事会の運営において、自発的に動いてくれる人が、優秀なフロントマンといえるでしょう。
人としての魅力があるか、信頼できるかどうかという点も重要です。
ただ、上記についてはなかなか確認するのが難しいことでもあります。
そんな場合は、以下の点について確認してみるとよいでしょう。
マンションの管理運営をより円滑にしてくれるフロントマンは、業務を行うにあたり、それに伴った知識を有していることも重要です。
「管理業務主任者」は、マンション管理において必要な知識をもっているかどうかを判定するための資格なので、こちらの資格を取得している人は、ある程度の知識を持った人であると判断できます。
管理会社を選ぶ際には、所属するフロントマンがこちらの資格を取得しているかどうかも判断基準にするとよいかもしれません。
フロントマンのなかでも、「管理業務主任者」の資格を保有している人は全体の8割ほどといわれています。
資格を保有していなくても、過去にフロントマンに似た業務を数多く行った経験があれば問題ありません。しかし、経験の有無を判断することは難しいため、有資格者を選ぶほうが判断しやすいと思われます。
フロントマンの携帯電話番号を開示している管理会社なら、理事会の運営やマンションの管理について困ったとき、すぐに連絡できるので頼りになるでしょう。
特に管理総会前後はフロントマンと密に連絡を取ることが増えますので、コンタクトを取りやすい状態にしているフロントマンをつけてくれる管理会社を選ぶとよいでしょう。
フロントマンはマンション管理組合からのクレームやマンション管理人への指導、理事会からの要望を受けるなど、心身ともにきつい仕事を請け負う仕事なので離職率の高い仕事と言われています。そのため、長く勤めているフロントマンは意外と少なく、経験が浅いフロントマンに当たってしまうことはめずらしくありません。
フロントマンとは、豊富な知識はもちろん、高いコミュニケーションスキルや交渉力が求められる職業です。そのため、ある程度の経験は必要不可欠です。経験は多ければ多いほど良いですが、フロントマンとしての経験を2年以上積んでいるかどうかを目安として確認すると良いでしょう。
また、管理会社全体の社員の平均勤続年数を確認しておくと、管理会社の質を見極める上で役に立ちます。
1人のフロントマンが担当する管理組合の数は少なければ少ないほど良いものです。1つ1つの管理組合ごとの仕事に集中できますし、きめ細かなサービスを行うことができます。
逆に1人で20も30も担当している場合、それぞれに対するサービスがおろそかになりがちで、まともに取り合ってくれなかったり、対応が遅延したりするおそれがあります。
フロントマンの仕事内容はハードなので、担当する管理組合の件数は1人あたり数件、多くても10件程度を目安にすると良いでしょう。
担当管理組合の数はメディアなどに掲載されていることもありますが、データベースはあくまで管理会社側の自己申告に基づいたものなので、実際はどうなのか直接フロントマンに尋ねる必要があります。
建物が老朽化していたり、設備に不具合があったりすると居住者からのクレームの対象になりますし、いざというとき危険が及ぶ可能性があります。そのため、フロントマンは定期的に担当している管理組合の所有物件を巡回し、建物や設備、敷地などを実地検分したり、管理人の勤務態度に問題はないかチェックしたりする業務も行っています。
ただ、巡回の頻度は管理会社ごとに異なっていて、毎月きちんと巡回しているところもあれば、数ヶ月に1回程度しか巡回してくれないところもあります。
フロントマンの巡回数は委託契約書に記されていますので、契約前によく確認し、最低でも毎月1回以上は巡回を行ってくれるまめなフロントマンがいる管理会社を選ぶようにしましょう。
建物の区分所有等に関する法律(区分所有法)第43条(http://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=337AC0000000069&openerCode=1#G)では、管理者は年一回、一定の時期に事務に関する報告をしなければならないことが定められています。
ただ、現実的には毎月多少なりともトラブルや問題が発生していることが多いため、有能なフロントマンであれば管理組合に対してきちんと月次報告を行います。
月次報告書には建物や設備を点検した時の様子や入退去者または区分所有者が変更された場合の報告、居住者からの要望・クレーム内容などが記載されているのが常ですが、項目に不備があったり、説明が不足している場合はフロントマンの質を疑った方がよいでしょう。
また、月次報告では単に書面を送付するだけでなく、理事会などで対面した上で報告内容を口頭で細かく説明するのがベスト。
月次報告が行われないと何らかのトラブルが発生した場合、適切な対処が行われず、問題が深刻化してしまうおそれがありますので注意が必要です。
マンションの管理の適正化の推進に関する法律第72条(http://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=412AC1000000149&openerCode=1#J)において、フロントマンは管理組合に対して重要事項について記した書面を交付し、説明することが義務づけられています。
この工程を省いたり、おざなりにすると後に重大なトラブルに発展する可能性が高くなりますし、何より法律違反に当たりますので、このようなフロントマンが在籍している管理会社との契約は見送った方が無難です。
フロントマンは管理組合とのコミュニケーションはもちろん、居住者との折衝を行ったり、理事会や総会の運営をサポートするなどさまざまな方面で活躍することから、オールマイティなスキルが求められます。
人を相手にする仕事なので対人スキルは必須ですし、さらに管理組合の運営などについても適切なアドバイスを行える知識・経験を有していなければなりません。
全ての条件を満たすフロントマンは決して多くはありません。しかし、スキル不足のフロントマンが担当となると、業務が滞ったり、トラブルの火種となる可能性があるため、面倒でも担当フロントマンとは必ず面接を行い、人となりを見極めることが大切です。
フロントマンは理事会や総会の設営といった物理的なサポートのほか、理事会に実際に出席し、場合によっては適切な助言を与える必要があります。
もちろん理事会や総会の主体はあくまで管理組合にあり、フロントマンはそのお手伝いをするだけの立ち位置にあるのですが、管理組合の中には知識・経験ともに乏しい人も少なくないため、適宜アドバイスを行って円滑な運営をサポートする能力が求められます。
場合によってはプレゼンを行い、よりよいマンションの管理・運営方針を提示することもありますので、提案力に優れたフロントマンのいる管理会社を選んだ方がメリットは大きいでしょう。
マンション内で発生したトラブルはもちろん、業務違反をおかしている区分所有者や、家賃を滞納している居住者がいた場合、迅速かつ適切な対応が求められます。こうした問題を先送りにしていると事が重大になり、場合によっては取り返しのつかない状態になるおそれがあるからです。
中には速やかに解決できないトラブルもありますが、何はともあれ問題が発生した場合は直ちに報告し、必要に応じて管理組合に適切にアドバイスする姿勢が必要不可欠です。
もしトラブルがあった際はどう対処し、どんなアドバイスをもらえるのか契約前に担当者にきちんと確認しておくようにしましょう。
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