ここでは、マンション管理会社の大きな仕事の一つである、大規模修繕について説明します。
大規模修繕は住民の生活と資産価値を守るため、計画的かつ効率的に進めることが大切です。
マンションは、時間とともに老朽化していくものです。必要に応じ、大規模修繕をしなければ、快適な住環境を維持することはできません。
しかし、大規模修繕には大金がかかります。
そのために、組合員は長期修繕積立金を納入しています。
将来生じうる大規模修繕に備えて、定期的に修繕費積立金の再考を提案するのも、マンション管理会社の仕事の一つです。
いざ大規模修繕が必要となったときに、お金が足りないとなっては、管理会社の能力が問われます。
住民に新たな負担や不安を与えず、スムーズに必要な部分だけの修繕を適正な費用で実施する。
これは管理会社として当然の仕事です。
しかし、実際のところ、言うほど簡単な仕事ではありません。
すなわち、大規模修繕とは、管理会社としての専門能力が問われる大きな仕事の一つなのです。
建物も、天候などの自然現象も、言うなれば生き物です。
常に一定のスピードで老朽化が進めば、大規模修繕に備えた長期修繕積立金も計画が立てやすいのですが、そうもうまくは行きません。
そのため、マンション管理会社は、3年~5年のスパンで、定期的に修繕費の見直しを図ります。
誤算の許されない重要な仕事です。
積立金の額に変更があれば、専門のコンサルタントに修繕の必要性と必要な箇所、概算費用を出してもらい、管理組合などに提案します。
コンサルタントの意見に対し、管理会社は御用聞きのような立場であってはいけません。
本当にそれぞれの箇所に修繕が今必要なのか、あるいは費用は相場通りなのかなど、しっかり確認を取ります。
次に行う作業は、実際に工事が必要であれば、管理組合や総会、理事会などを通じて、施工業者の選定補助作業です。
少しでもコストを低めに、なおかつ確実な施工をしてもらえる業者選びをするために、管理会社は各種の補助をしながらも、候補となる各施工業者のプレゼンも実施しているのです。
工事終了後の将来的な修繕費のコスト削減のために、LEDライトの採用なども検討・提案してくれる管理会社もあります。
余裕を持った長期修繕積立金計画、適切な修繕提案、将来的な組合員のコスト削減、将来的な資産価値の向上など、専門家としての立場から大規模修繕の提案をしてくれるのが、マンション管理会社です。
マンションやビルなどの、建物を修繕する際にかかる費用は、戸数や建物の規模によって変動します。そのため、ビルやマンションを修繕する際は、多額の大規模修繕費用を用意しておかねばなりません。
修繕プランの内容にもよりますが、一戸あたりの費用相場は平均100万円程です。そのため、40戸のマンションを修繕する際は、最低でも4000万円の資金が必要になります。
修繕費用を少しでも安く抑えたい場合は、大規模修繕を依頼する際に、無足場工法が適用できないか相談してみましょう。
建物管理を実施している方のほとんどは、修繕費用を安く抑えるために、修繕を行う業者と、打ち合わせを念入りに行っています。建物の大きさや、修繕箇所に合わせてプランを変更すれば、予算よりも修繕費用を安くすることができるためです。
大規模修繕を行うにあたり、業者との相談を忘れてしまう方は少なくありません。今後、修繕を行う予定の方は注意しましょう。
管理会社に大規模修繕を任せておけば、工事をスムーズに進めることができます。
しかし、全ての対応を管理会社に任せていると、必要以上に工事費用を請求されてしまう可能性があります。
場合によっては、建物修繕に必要ではない工事を実施されることもあるため、工事を行う際は一度管理組合で話し合いを行うのが適切です。
マンションの耐久力をより良くしたいのであれば、外壁をタイルに交換しましょう。
たしかに外壁タイルはサイディングと比較するとコストは高いですが、それを補って余りあるメリットが存在します。
ここでは、そんな外壁タイルの魅力を紹介していきます。
第一に挙げられる理由はやはり耐久力です。
土、石といった自然素材を焼き固めて作った外壁タイルは風に強く、水分をほとんど吸収しません。
そのため、雨風に強く劣化しにくいという特徴があります。それに対して窯業系サイディングは、傷に弱く砂埃(すなぼこり)などで細かい傷ができやすいです。
使用されている素材にもよりますが、耐用年数を比較すると、サイディングは大体15年ほどの耐久年数といわれていることに対し、タイルの場合は30年ほどの耐久年数といわれています。
もちろん、環境によって左右されるところもありますが、基本的にはタイルの方が長持ちします。
耐久性に優れているということは、美観性の劣化も少ないということであります。これは、空室リスクを防ぐためにも、非常に重要なポイントです。
数多くある賃貸住宅からマンションを選ぶ人は、居住快適性だけではなく美観性や、外観から得られるステータスといった要素も入居を決める大きな理由となります。
重厚な作りの外壁タイルは、ハイソサエティな印象を与え「マンションに住む付加価値」を与えるのです。それに伴い、空き室があっても居住者が入りやすくなるため、空き室のリスクを無くすことが期待できます。
外壁タイルで問題なのが、初期費用です。サイディングと比較した場合、外壁タイルは高価です。
サイディングは材質によっては3,000円~1万円程度でリーズナブルなものもありますが、外壁タイルの場合は最低でも9,000円ほどかかると言われています。
結果、サイディングから外壁タイルに変えた場合、一軒家でも200万以上かかったというケースは珍しくありません。
また、さらに面積の広いマンションの場合、施工にかかる価格はさらに高くなってしまいます。このように、外壁タイルは初期費用がネックであり、手が出しにくいのが難点です。
しかし、コストが高いのはあくまでも初期費用であり、トータルコストを見ると実際にはお得であることが多いです。
その違いは、メンテナンスにかかる費用にあります。
サイディングは、前述したように傷に弱く、雨風によって隙間をつなぐコーキングも劣化し、張替えなどのメンテナンスが必要です。
このメンテナンスはいわゆるサイディングの張替えにあたり、一般家庭でも140万近くかかってしまうと言われています。
しかし、外壁タイルはこういった経年劣化に強く、メンテナンスの頻度がサイディングよりも低いです。もちろん、それでもメンテナンスを受ける必要がありますが、タイルそのものを再利用することができます。
そうしたことから、基本的に材料費がサイディングに比べると極めて安価になることでしょう。実際、一般家庭でも50万前後でメンテナンスが可能です。
何十年も物件の経営をした結果、サイディングのほうがメンテナンスの頻度・価格ともに高いため、2度目か3度目あたりのメンテナンス時点でかかったコストは逆転し、外壁タイルのほうがお得になります。
このことからわかるように、初期費用の問題さえクリアすれば、外壁タイルのほうが使い勝手が良いといえるでしょう。
外壁タイルは頑丈ですが、メンテナンスをしなければ耐久度は下がってしまいます。ここでは、外壁タイルのメンテナンス方法について見ていきましょう。
外壁タイルは確かにメリットが多いですが、いくつか気をつけて置かなければならないことがあります。
外壁タイルで気をつけるべきことは、タイルの剥離です。
外壁タイルはすごく硬いです。そのタイルが劣化によって外れ、落ちてきたらどうなるでしょうか。
低いところならば大丈夫ですが、人の頭より高い位置から外壁タイルが落ちてきて、しかもそれが人に当たった場合、大怪我を追ってしまう可能性があります。
近年の施工技術の向上により、こういった剥離が起きることはほぼなくなりました。しかし、古い施工のマンションで外壁タイルを使用している場合、接着剤の劣化によって剥離・落下する可能性は0ではありません。
中古物件の外壁タイルを用いたマンションを購入する際には、いつごろからタイルを取り付けたかを確認しておきましょう。
もし、10年以上経過しており、外壁タイルが若干浮いているようでしたら、物件の購入を思いとどまるか、購入したとしても改修を施す必要があります。
上記した外壁タイルの剥離の原因は、経年劣化だけではありません。施工業者の施工不良や使用している外壁タイルの素材が悪い場合、剥離のリスクは高くなります。
外壁タイルが剥離を起こす前兆として、「浮き(タイルと下地の接着が悪くなり、下地が浮き上がる現象のこと)」があります。
これは、技術不足の職人による施工が原因であることが多いです。接着が不完全な場合、当然のことながら従来のタイルと比較すると剥がれやすくなるため、浮きが発生しやすくなってしまうのです。
もし、外壁タイルにリフォームするのであれば、信頼できる施工技術を持った職人を探し、依頼しましょう。
外壁タイルは、初期費用こそ高いですがそれを補えるほどのメリットがあります。
ですから、長期的に物件の投資を行うのであれば、多少高くついてもリフォームする価値は十分にあります。
ですが、外壁タイル補修とサイディング。大規模修繕でそれぞれのメリットを考えると、選択するのが難しいかもしれません。
マンションの劣化状態や、入居率・収益性などを多角的に考慮することで、必要となる改修プランが判断できるようになります。そのためにも、管理会社との打ち合わせは、入念に行うようにしてください。
東京のマンション管理会社が行う外壁の大規模修繕についてご紹介いたしました。しかしマンション管理会社が行うのは外壁の修繕だけではありません。
他にどんなものがあるのか、修繕までの流れなどをチェックしておきましょう。
外壁の次に屋上やバルコニーの修繕を行います。コンクリートのひび割れやモルタルのひび割れを修繕し、水漏れなどを防ぐのが目的です。 また、手すりや非常階段部分の補強、サビの防止加工、劣化が激しい場合は撤去して新しい手すりに取り替えなどの作業を行うこともあります。 屋上の修繕は比較的スムーズですが、バルコニーの修繕の場合はその間バルコニーに出入りできない、洗濯物が干せない、窓を開けることができない、バルコニーの荷物を撤去してもらうなど、住民への呼びかけと協力が必要になります。
マンション管理会社が行う大規模修繕は、外壁やバルコニーなど、目に見える部分の修繕だけではありません。給排水工事も必要となります。
給排水管も劣化するとサビが混ざった水が出てきたり、シャワーの水圧が弱くなる、水漏れが起こるなどのトラブルが起きやすくなります。
現在給排水管に使用されている素材は耐久性の高い塩ビライニング鋼管などが主流ですが、それでも耐久年数は25年程度と言われています。多くの場合、20年から30年周期で修繕を行う必要があります。
給排水管の修繕にはコストを抑えられるもののマンションの見た目が悪くなってしまう露出配管工法と、コストは上がるもののマンションの見た目を維持できる隠蔽配管工法があります。
毎日使うガス設備の修繕も必要です。ガス設備の修繕には様々な種類があります。空調や給湯、古くなった屋内のガス管の取り替えなどなど。
周期は10年から20年程度が一般的ですが、ガス漏れなどのトラブルが起きないように早めに修繕を行うのがいいでしょう。
さらにエレベーターも定期的に修繕を行う必要があります。照明器具などを部分的に取り替えるものからエレベーターを全撤去してまったく新しくするものまで、エレベーターの劣化具合によって内容は様々。
その期間住民がエレベーターを使うことができなくなりますので注意しましょう。 エレベーターの修繕の目安は20年から30年と言われています。
さらに共有スペースのみでなく、各部屋の修繕を行う場合もあります。ドアを新しくしたり、ドアの鍵部分のみを新しくするという内容です。これには住民の立ち会いが必要となります。
さらにサッシの取り替えを行う場合も。サッシは夏や冬の温度調節に重要な役割を担っていますが、意外と知られていません。交換にかかる費用も高額になるためあまり必要を感じないかもしれませんが、修繕を行わないと壁のカビなどの原因にもなります。
ドアやサッシの修繕の周期は特に決まっているわけではありませんが、30年程度の長期的な周期で修繕を行う必要があるでしょう。
大規模修繕はいきなりできるものではありません。修繕の時期になったら1年前くらいから住民に説明をし、スケジュールや工事内容を進めていく必要があります。
住民からアンケートを取り、劣化の激しい部分の調査も行います。 工事の半年前までには基本の計画や設計図を作成し、施工業者を選定。実際に準備に取り掛かるのは3ヶ月前からと見ておいていいでしょう。
その間住民が不便を要する場合は説明して理解を得ておく必要があります。 外壁、バルコニー、水回り、ガス管、エレベーター、各部屋といった流れで修繕を行っていきます。
すべての修繕を行う場合は3ヶ月から5ヶ月くらいの期間が必要となる場合が多いです。 大規模修繕が完了したら次の長期修繕計画を見直しておきましょう。
アフターケアも確認して、大規模修繕が完了します。
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